『宇宙エレベーター クライマー・ロボティックス競技会(SPEC x ROC)』のお知らせ(2019/5/28更新)

2018 年 12 月 31 日

2018/12/31

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宇宙エレベーター協会では、2019年夏、昇降機(クライマー Climber)にロボットを貨物として積載し指定高度まで昇降させる競技会を開催します。英表記はSpace Elevator Climber & RObotics Challenge とし略号は「SPEC x ROC」とします。


宇宙エレベーターは天体表面と宇宙を、そして他天体をつなぐ次世代の大量輸送機関として、最も有望視されているシステムです。1991 年の飯島澄男氏のカーボンナノチューブ(CNT)の発見と解析により地球上に建設するために必要な強度をもつケーブル素材(テザー)の実現性が高まり、システム全体の研究開発が動き出しています。
宇宙エレベーター協会では、2009年度から気球などからつるしたアラミド繊維製ケーブルを昇降用テザーにみたて、そのテザーに沿ってクライマーを走らせる開発実験と競技会(Space Elevator Challenge=”SPEC”)を実施してきました。2013 年には高度1,200mまで達し、時速100km を超える機体も既に開発されています。 


次回2019年夏第10回では次のステップとしてクライマー本体が昇降するだけではなく、貨物を積載して昇降する競技に挑戦してもらうことにします。この挑戦では単に揚重荷重が増加するだけではなく、重心の考え方、積載装置の遠隔操作に対する無線の干渉などいくつもの考えなければならない要素が加わります。積載荷重は8kgとしますが、例えば8kgの砂袋にするより、付加価値を考慮して積載貨物にロボットを採用します。指定高度までロボットを揚重し、その高度でロボットを降下させてもらうことにします。ロボットを採用した理由はいくつかあります。
1) 宇宙エレベーターのステーション高度で宇宙太陽光発電設備のなど組み立て作業では宇宙線被曝のリスクが  高いことからロボットによる作業が多くなることが考えられます。競技会に組み込むことにより宇宙用の  高機動ロボット開発を促すことができることを期待しています。
2) 火星などの地球外天体での宇宙エレベーター建設時には地上部分建設のためには資材の輸送に先立ち建設用  ロボットをケーブル途中から降下させることが考えられます。
3) クライマーの積載装置の遠隔操作技術の開発にあたり貨物側の装置との連携も必要と考えられることから  貨物側の装置としてロボットを使うことができると考えられます。
4) ロボット技術開発の新たな挑戦目標を提供することができると考えています。


以下競技会概要です。詳細情報は随時周知いたします。


開催場所:福島ロボットテストフィールド 予定
開催予定日:2019年9月14日および15日予定
参加説明会:2019年3月30日 13:30~
競技参加申込締切:2019年5月10日(金)
 ※ロボット部門の競技参加申込締切日を延長します。詳細は後日発表します。
事前審査受付開始:2019年5月11日(土)
事前審査受付締切:2019年5月31日(金)
事前審査結果発表・通知:2019年6月10日(月)参加者会議8月31日(土)予定
競技部門:宇宙エレベータークライマー部門(学生、企業、個人などの枠は設定しません。)
     ロボット部門(学生、企業、個人などの枠は設定しません。)
予定高度:100m
別資料:競技会規則全般:SPEC x ROC._General_regulation_v0.31.pdf
    要求仕様
    ・クライマー:SPEC x ROC._Climber_regulation_v0.31.pdf
    ※クライマーレギュレーション「4.6.2搬送装置固定箇所」のサンプル NEW!!
    ・ロボット:SPEC x ROC._RObotics_regulation_v0.21.pdf
参加費:図面審査 無料       本競技  10,000円+(保険料+手数料で参加者1名あたり 2,000円程度)
表彰:優秀チームを表彰し、のウェブでの紹介やパンフレットへの記載に加えて副賞を計画しています。
   なお、天候、ヘリウムの供給状況、参加者数などによって規模の変更、延期、中止などの可能性もあります。

注意1)事前審査日程は変更可能です。要望などがあれば電子メールでお申し出ください。

注意2) 参加申込は下記フォーマットでお願いします。ただし、記載事項をすべて満たしていれば電子メールでもかまいません。

    SPECxROC参加申込フォーマット

お問い合わせは、 SPECxROC@jsea.jpまでお願いします。ただし、お問い合わせ内容によっては回答できないこともありますので、前もってご了承ください。

SPECXROC | by 籏本祥二

SPEC/SPIDERクライマー昇降イベントの実施(終了)

2018 年 12 月 14 日

協会では神奈川大学と合同にて、SPEC級クライマーとSPIDER級クライマーの昇降イベントを開催します。
今年度は様々な要因によりSPEC宇宙エレベーターイベントを実施しておりませんが、各クラスのクライマーを製作しているチーム向けにその評価を行える機会としてのクライマー昇降会の実施になります。


主催:神奈川大学、JSEA
日時:2019年1月5日(土)10:00~16:00 SPIDERクラス(神奈川大学主催)
      1月6日(日) 10:00~16:00 SPECクラス(JSEA主催)

会場:神奈川大学湘南平塚キャンパス 陸上競技グランド
https://www.kanagawa-u.ac.jp/access/shonan_hiratsuka/

内容:200m級テザードバルーンシステムの掲揚展開と、垂下されるテザー(ベルト/ロープ)上でのクライマー昇降
 (機材は400m級のものを使用し、風況と状況が許せば、高度400mまでの掲揚も実施します)


目的:

  • 宇宙エレベーター関連技術並びにスピンアウトの開発・研究の促進
  • メディア等を通じた宇宙エレベーターについての正しい知識の普及
  • 自走式昇降機とその実験に必要な設備について、各大学による共同実験

対象:SPEC級クライマー、SPIDER級クライマー
参加費:1チーム80,000円(時間がゆする限り複数回の昇降機会を設定します)
参加資格:
大学、高校、高等専門学校などの教育機関、一般企業、個人チーム 等
一般企業の研修・研究の場としてもご参加いただけます。
(ただし、当協会が不適当であると判断した場合はお断りすることがございます。)

※テザーの仕様、昇降/安全管理については従前のSPECに準じて実施します。
 <SPEC2018関連資料>
募集:12月25日(月)までに info@jsea.jp にご連絡ください。
(詳細については参加希望チームに追ってご連絡します)

SPEC | by 吉田隆一
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