第56回日本SF大会「ドンブラコンLL」出展記

2017 年 9 月 2 日

表題の通り、2017年8月26日・27日と、静岡県コンベンションセンター「グランシップ」で行われた、第56回日本SF大会にゲスト出展者として参加してきました。(JSEA理事 下條善史)

今回は、一般展示の宇宙関連展示ということで、静岡大学のSTARSプロジェクト紹介のお隣で、宇宙エレベーターの紹介展示を行いました。

さすがにSF大会の参加者だけあって、宇宙エレベーターの基本的な部分はほとんどの方がご存知のようで、「これは何?」というような質問はほとんどなく、むしろ「いつ頃できそう?」「今どこまで行ってる?」というような関心の方が多かったように思いました。一方、今世間では流行りであるだろう「宇宙ビジネス」の視点で捉えるような方はほとんどいなかったように思います。みなさん、フィクションの道具としての認識が強いのでしょうか。「楽園の泉」「星ぼしに架ける橋」といったキーワードへのつながりがメインストリームだったように思い、一般の方たちと比べると、関心の方向の明らかな違いが興味深かったところでした。失礼な偏見なのかもしれませんが、まったく宇宙エレベーターの話なんかしそうにないように見える年配のご婦人の参加者の方に、全く説明なしに静止衛星軌道だのホーマン遷移軌道などの用語を持ち出して説明しても、きっちり理解していただけたというのが、ものすごく驚きの体験でした。すいません、SF大会ナメてました。

さて、今回の展示でのハイライトのひとつは、「こち亀」秋本治先生の訪問でした。
今年の星雲賞コミック部門では、少年ジャンプで40年以上連載を続けておられ、今年連載終了された「こちら葛飾区亀有公園前派出所」が受賞されたのですが、その長い連載史の中には、宇宙エレベーターを取り上げた回もあったんですね。そんなこともあり、我々も宇宙エレベーターの知名度向上に多大に貢献してくださった旨感謝の意味を込めて、その掲載回の解説パネルを用意して展示しておりました。そこにスタッフの方が、星雲賞の受賞スピーチに会場を訪れておられた秋本先生を連れてきてくださって、突然のブース訪問となったわけです。

ほんの一言二言の短い会話でしたが、我々をねぎらってくださって、パネルにサインまでしていただけて、感激の瞬間でした。

実は二日目にはもうひとつのハイライトもありました。

このSF大会では、以前から数年にわたってSFイラストレーターの加藤直之先生が、会場に設営した臨時のアトリエで、作品制作の現場をリアルに実演してくださるイベントが行われていたのですが、ちょうど我々のブースの隣が、そのアトリエだったのです。銀河英雄伝説や宇宙戦艦ヤマトなどの比較的一般向け作品でも有名な方だけに、我々も緊張感と興味を持ってイラスト制作を、展示の合間に眺めさせていただいていたのですが、その加藤先生がある時ふと手を休めて、こちらのブースを訪ねてこられました。で、そのまま宇宙エレベーターについての説明を熱心に聞いていかれたのでした。話の中で、先生自身が宇宙エレベーターをイラストの中にどのように表現するかについて、さまざまに試行された経緯なども話しておられました。どうやら今後の作品の中にも宇宙エレベーターを登場させる機会があるのではないかと考えておられるように見受けられたのですが、どうなんでしょうね。

結局、宇宙エレベーターを中心にした話も弾んで、我々がブースに置いていた宇宙エレベーター関連書籍を寄贈させていただきましたところ、サインまで求められてしまいました。寄贈した書籍の著者である本協会フェローでもある東海大学の佐藤実先生が、骨の髄まで緊張しながらサインをしておられたのが印象に残りました。

そんな感じで、今回のSF大会出展は大きな印象を残して無事終えることができました。参加された皆さんに、宇宙エレベーターの現状はどのように映ったのでしょうか。みなさん、お疲れ様でした。

アウトリーチ活動 | by 吉田隆一

SPEC(SPace Elevator Challenge)2017 IN MITOを開催

2017 年 5 月 31 日

2017/05/31

今年も、SPEC(SPace Elevator Challenge)2017 IN MITOを開催します。

宇宙エレベーターのクライマーモデルとテザードバルーンを使った宇宙エレベーターチャレンジとなります。

主催:一般社団法人 宇宙エレベーター協会 SPEC実行委員会

協催:一般社団法人水戸観光コンペティション協会

協力:水戸市、茨城県、公益財団法人水戸市公園協会、水戸商工会議所、神奈川大学(各予定)

会期:2017年12月1日(金)~4日(月)

   ※前後2日間は準備/撤収の予定となり、昇降は2日(土)~3日(日)となります。

場所:茨城県水戸市千波町 千波公園内 緑地

内容:宇宙エレベーター向けに開発された自立昇降機の性能を競う競技会

  ・テザードバルーン(複数係留索を持つ係留気球)の係留とこれを用いた各種競技

  ・ テザードバルーン(複数係留索を持つ係留気球)の係留とこれを用いた各種競技 自走式昇降機によるテザー昇降性能の評価

目的 : 宇宙エレベーター関連技術並びにスピンアウトの開発・研究の促進

         メディア等を通じた宇宙エレベーターについての正しい知識の普及

          自走式昇降機とその実験に必要な設備について、各大学による共同実験

参加費:運営協力なし:20万円、運営協力A:12万円、運営協力B:8万円

   ※運営協力ABにつきましては、応募人数に応じ、応募を締め切ることがあります。

   原則先着順により決定します。

   運営協力内容等は、下記説明会においてご説明いたします。

参加資格:大学、高校、高等専門学校などの教育機関、一般企業、個人チーム 等

   一般企業の研修・研究の場としてもご参加いただけます。

   ただし、当協会が不適当であると判断をした場合を除く。

 

催事詳細につきまして、下記ファイルをご確認ください。

ご参加をお待ちしております。

  

ご参加ご希望の方、ご興味をお持ちの方は、下記メールアドレスまでご連絡ください。

  spec2017-sc@jsea.jp (担当 岡安 籏本)

 

 ・開催案内( SPEC2017INMITO_Announcement.pdf )
 ・クライマーレギュレーション(SPEC2017_Climber-regulation_rev1.pdf )
 ・クライマー検査シート( SPEC2017_Climber-checksheet_rev1.pdf )
 ・クライマー検査指摘事例集( SPEC2017_Climber-checksheet_Case-studies_rev1.pdf )
 ・MPU、PowerMeter、MissionBoxのCADデータ(STEP)( SPEC2017_CAD-Data.zip )

 

〇参加者向けレギュレーション説明会

参加予定者向けにレギュレーション説明会を実施します。

日時  2017年6月17日(土)  14時~15時

場所  サンブリヂ新橋ビル(JR新橋駅徒歩5分)

              http://www.relo-kaigi.jp/conference/minatoku/shinbashi-area.html

対象:SPEC2017へご参加を検討されている方々

内容       参加予定者向けの詳細説明会

         ・レギュレーションの説明

         ・質疑応答

          レギュレーションの内容についての質疑応答を行います。

          質疑応答の内容は、後日FAQとして公開することがあります。

 説明会に、ご参加ご希望の方、ご興味をお持ちの方は、下記メールアドレスまでご連絡ください。

     spec2017-sc@jsea.jp (担当 岡安 籏本)

 

SPEC | by 籏本祥二
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